憲法カフェ参加者の声

①(S.F 30代 男性 東京)

 数年前まで、私は仕事が中心の、いわゆる「普通のサラリーマン」でした。

 そんな私の転機となったのが、子どもの誕生です。

 仕事でも、子どもや障害のある方々と接する機会の多かった私は、自分の子どもも含め、公的な支援が必要な方々=憲法が保障する「社会権」を必要とする方々を、身近に感じる環境にいました。

 そうした立場から憲法に関する報道をみたとき、「憲法は、国民が個人として尊重され、平和に生きるための、国家との契約」という基本的な役割が理解されないまま、政治家が率先して改正を主張する現状に、疑問を抱くようになりました。

 そして、「子どもたちが生きていくこの国の憲法が、このままなし崩しに変えらて良いのだろうか、一人の親としてできることをしよう」と考えるようになりました。

 そうは言っても、知人や同僚等にいきなり憲法の話をするのは、必ずしも容易ではありません。どうしたものかと頭を悩ませていたところ「あすわか」の活動を知り、即席のSNSのページを立ち上げ、他にも憲法に関心を持つパパママ等と協力して、専門家のお話を伺うイベントを開催しました。

 このイベントを企画して気づいたことは、私達にできることは予想以上に沢山ある、ということです。

 私自身、時間や職場との関係等の制約がある中での企画したが、予想以上の多くの方にご参加いただいき、良い反響をいただいたのは嬉しい驚きでした。

 こうした取組は小さなものかもしれませんが、その一つ一つが積み重なり、子どもたちにとって望ましい未来が作られるのではないか、と感じています。

②大野陽子(30代 神奈川)

 「憲法って何だっけ?」特定秘密保護法には憲法違反の可能性がある、と話題になった頃、ふと湧いた疑問です。教科書に出てきた堅苦しい言葉というだけで、今自分や子ども達が生きている社会、これからの社会との繋がりが実感出来ませんでした。そんな時に見つけた、同年代しかも女性の法律の専門家の解説が聴ける憲法カフェは目から鱗でした。普段周りのママ友とは他愛のない話ばかりだったけれど、是非この話は聞いてもらいたい!と思い、賛同してくれた友人と一緒に自分でも企画しました。参加してくれたママ友が何人も「今までなかった政治への興味がわいた。憲法を身近に感じた。もっと勉強したい。」と言ってもらえたので、一人一人が理解し関わる事の大切さを実感しました。

③川村修央 20代男性 上越教育大学大学院2年 (新潟県)

憲法カフェを企画して

 2017年7月に所属する教育大学を会場にして憲法カフェを企画しました。共謀罪法案が強行採決され、市民が相互監視するような社会になるのではないか、自分事としては、自由な教育活動や教師の自主研究サークル活動が制約されないかという不安が開催を決意させました。当日は10〜50代の学生・教職員を中心に25名ほどが集まり、それぞれの立場で疑問や不安を弁護士の方に伺いました。このやりとりを通じて、弁護士の方が身近に感じられ、気軽に相談したいという気持ちになりました。また、以前よりも憲法や法律を自分の生活に引き付けて考えられるようになりました。今後も憲法カフェで問題意識を共有する仲間とつながっていきたいです。

④新潟県、Y.Yさん、30代女性

 以前、県弁護士会主催の憲法カフェに出席し、憲法改正に対する危機感を持ちました。子ども達の未来に直接関係する事なので、子育世代の仲間にこそ知って欲しいと思い企画しました。

 20〜40代のママが10人くらい、みなさん子連れで参加してくれました。和室を借りて、多少騒いだりしても大丈夫というアットホームな雰囲気で開催出来たのが良かったです。参加者の方からは「今の日本の状況や憲法の事を知るきっかけになった。」「自分の日々の小さな行動の積み重ねが世の中を変える一歩になるのだと実感した。まずは考える事から始めようと思う。」等の感想をいただきました。

 憲法は公権力の濫用を抑止する為のシステムなのだという事を、憲法カフェで初めて知りました。権力を持つ側に都合の良い改正ではないか、という点に着眼して議論を進めて欲しいです。また、年限を切ってまず憲法改正ありきというスタンスではなく、具体的にどこをどう変える必要があるのかをきちんと説明して欲しいと思います。

⑤新潟市 30代 坂爪沙矢香さん

 集団的自衛権の行使を認める『安全保障関連法案』が憲法違反だと指摘され始めたころから、それまで興味のなかった政治のコトも空気のように感じていた憲法のコトも、「もっとよく知りたい!」「こどもたちの未来のためにスルーしちゃダメだ!」と思うようになりました。自衛隊の活動が拡大することに不安を感じ、自分で調べてみるもののよくわからずモヤモヤしていたとき、『憲法カフェ』に出会いました✨気軽にお茶を飲みながら弁護士さんがイチからやさしく教えて下さるという『カフェ』を私もママ友と一緒に企画しました。これまで政治に関心がなかった方と素朴な疑問や様々な意見を出し合い考える中で理解が深まりました。憲法は国の在り方そのもの。私たちの生活にどう関わるのか、子どもたちの世代にどういう未来を残してあげたいかを考え続けて行きたいし、それができる『憲法カフェ』がさらに広がっていくと嬉しいです。

⑥青木めぐみさん(30代 神奈川県)

 2011年の原発事故以降、恥ずかしながら生まれて初めて、政治や、この国の在り方に興味をもった。その中で、特に「今そこにある危機」的な憲法問題について、家庭で持論を展開するも、夫とはなかなか実のある議論ができなかった。そもそも、長時間労働のサラリーマンである夫は、新聞は読むが経済ネタがメイン。異なるメディアソースから主体的に情報を取得して比較、なんてことも当然やる時間はないから、大手のメディアが発表する政府見解=正しいあり方、という図式がデフォルトになっているのだ。そして、夫のような男性は少なくないはず、、、。

 ならば、と思いついたのが、我が家も含め、憲法問題は気にはなるけど、どうやって全体像をつかめばよいか分からない、という「お父さん達」が参加しやすい週末の午後、子連れ可能、アルコールもOKで、ザ・政治臭のあまり漂わない憲法カフェの実施だった。友人の旦那様に紹介いただいたバーのマスター(ご自身も一児の父)に相談したところ、貸切+ワンドリンク注文制で快諾いただき、タイトルは『お父さんのための「呑み学び」憲法講座』として開催することに(とはいえ、「お父さんではない方も大歓迎」とサブタイトルに明記)。

 予定人数をオーバーする申し込みがあり、参加者の6、7割は男性、前に他の憲法カフェに参加した妻に勧められてきたという男性も複数いた。また、嬉しいことに、小さい子どもを連れた夫婦で参加する家族も。質疑応答の際、近くの町の元町長だったという参加者が、ご自身が自民党に近い立場であることを前置きした上で、今の状況に危機感を持っていると発言されていたのが印象的。また、参加者アンケートによれば、概ね、今回の勉強会で理解が深まったようで、異なるアングルで2回目の開催を希望される方も多かった。訴求ターゲットである当の夫は、「どんな勉強会に参加させられるのか、、、」と緊張しながらも、「この改憲案、ちょっとおかしい」との気づきがあったようで、「企画してくれてありがとう、おかげでよくわかった」と言ってくれた。

⑦信楽寺住職 広幡康祐さん(45歳)

 広島弁護士会の憲法の勉強会「檻の中のライオン」に親子で参加して、いつかお寺でも開催できないかと思って1年余り。お寺で政治の話をやっても大丈夫だろうかと思いましたが、「右とか左とかの前に、立憲主義」という楾先生の言葉に、力づけられ、お寺での「憲法のおはなし 檻の中のライオンinやすうら」を、7月20日の夜、開催しました。猛暑でしたが、熱い意欲を持った24名と一緒に学びました。政治が宗教を利用してはいけないけど、お寺で憲法を学ぶことは大事だし、もっと気軽に政治が語れるといいと思います。無関心はどんどん変な方向にいくから、まずはおかしいと思ったら「おかしい」と言い、身近な方と「憲法はライオンの檻」と語りあう、不断の努力が大事だと思いました。

⑧神奈川 鈴木法子さん 40代

 そもそも憲法って何だろう?学校では、憲法前文を暗記し、日本国憲法の三原則は『基本的人権の尊重、国民主権、平和主義』というのも教えられた記憶があります。でも、根本のところの『立憲主義』について教えられたかというと明確にYesといえませんでした。

 これまでに楾大樹弁護士を講師に『檻の中のライオン』のおはなし会を2度、主催させていただきました。パペットを使い、権力をライオン、憲法を檻にたとえることで、《権力を憲法で縛るのが立憲主義》であることがなるほどと理解できます。参加された方が、次は主催者になりたくなる『檻の中のライオン』!オススメです!