2017年2月2日木曜日

やや日めくり憲法 22条(居住・移転・職業選択の自由、国籍離脱の自由)





 今日は日本国憲法22条についてお話します。

 22条は、29条と併せて、「経済的自由権」と呼ばれています。基本的人権とは、個人が尊厳をもって自分らしく生きる上で必要不可欠な権利のことです。経済的自由権という人権がなぜ不可欠かといえば、自由な場所で自分の選んだ職についてお金を稼いで経済的に自立できなければ、尊厳ある自由な人生などありえない、からです。職業や住む場所はただの生きる手段ではなく、生き方そのものといえますから、これらの自由があって初めて、個人が尊重されているといえ、そして人が生まれた時から持っている自由が生きている状態といえます(立憲主義)。


 天賦人権という思想や、基本的人権という発想がなかった時代、人は身分制や階級制に縛られていて、「住みたい場所に住む」ことも「なりたい職業に就く」ことも、ありえませんでした。

 住みたい場所に引っ越せず、あなたは一生ここで暮らしなさいと命じられるって…想像してみて下さい。苦痛ですね。

 あるいは、なりたい職業を選べず、「おまえの仕事は○○と決まってるんだ」と押しつけらるなんて、正直、地獄ではありませんか?

 人はそれぞれ個性があり、性格、適性、向き・不向きがあります。どこに住んでどんな仕事に就くかは、本人が選ぶもの。そんな、当たり前のように思える「居住・移転の自由」「職業選択の自由」も、近代市民革命の時代以降、やっとのことで獲得できた、大切な人権です。


 自分のことは自分で決める!という側面から考えると、こういう「居住・移転の自由」や「職業選択の自由」は、経済的自由権として22条で保障されることも大事ですが、自己決定権の1つとして、13条(幸福追求権)でも保障されているともいえます。


 22条2項は国籍離脱の自由を保障しています(明治憲法下では、自由意思による国籍離脱は許されていませんでした)。ただ、これは無国籍になる自由までを保障したものとは考えられておらず、「どこか他国の国籍を取得したら」国籍を離脱していい、という意味です。