2017年2月8日水曜日

やや日めくり憲法 28条(労働基本権)


第二十八条
勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

 

「勤労者」、という言葉はちょっと古い感じがするかもしれませんが、
働いてお給料をもらっている人、つまり「労働者」のことです。


どんな仕事でも、どんな働き方でも、
働いてお給料をもらっている人はみな「労働者」です。
たとえば、
学生でアルバイトをしている人や、パートで働いている人もみな「労働者」です。

 


労働者が、もっとお給料をあげてほしい、働きやすい環境にしてほしいと思っても、
一人で雇い主(多くが会社ですね)と交渉するのは大変です。

会社は、労働者に対して業務命令を出したり、人事を決めたり、解雇をすることまで出来て、
強い権力をもっているからです。

労働者は、会社に不満があっても、
仕返しが怖くて我慢してしまうことが多いでしょう
(もちろん、会社が仕返し目的で解雇などの不利益な取り扱いをしたら違法で無効ですが。)

 

昔々、
資本主義が発達していく途中、
労働者が失業したり、悪い労働条件で働かせられたりして、過酷な生活をしていました。
会社の経営の自由に任せていると、労働者は人間らしい生活ができないので、
労働者を保護しよう、労働者が会社と対等に交渉できるための権利を認めよう、
ということになりました。

 


そこで、憲法28条は、
労働者が、強い権力をもっている会社と対等な立場にたてるように、
①団結する権利、
②団体交渉をする権利、
③団体行動をする権利を保障しているのです。
労働者が生きていくための基本的な権利なので、
3つまとめて「労働基本権」といいます。

 


 労働者は、
ほかの労働者と一緒になって(団結して)、
労働条件を維持したりよくするための組織を作ることができます。
それが①「団結する権利」です。
そして、労働者が団結して作った組織が労働組合です。

 

労働組合は、
会社と労働条件について交渉する権利があります。
それが②団体交渉権です。

 

労働組合は、
団体交渉だけではなく、
集まって組合活動をしたり、ストライキをする権利もあります。
それが、③団体行動権です。

 

ところで、
立憲主義は、
権力者が個人の権利を侵害しないよう、権力者をしばるためのルールでしたね。

憲法28条は、国に対して、
労働基本権を侵害してはいけません、保障するための措置をとりなさい、
と命令しています。
その現れが、労働基準法や労働組合法なのです。


憲法は、これと同時に、強い権力をもつ会社に対しても、
労働基本権を侵害してはいけません、尊重しなさい、
と命令しているのです。

 


憲法は、労働者の生きるための権利として、労働基本権を保障しているんですね!