2017年3月1日水曜日

やや日めくり憲法 31条(法定手続の保障)



 3月1日は31条!
 余談からですが、3月1日は何の日でしょうか?


 日本では、1954年、漁船、第五福竜丸の乗務員が、アメリカが
ビキニ環礁で行った核実験で被爆した日です。この事件がきっかけ
となって、原水爆禁止運動が始まりました。


 お隣の朝鮮半島では、日本の統治下でこれに抵抗する、3.1独立
運動が始まった日です。


 二つの事件に思いを馳せると、とっても深い日付ですよね?


というわけで、憲法31条です。

日本国憲法31条
 「何人も、法律の定める手続によらなければ、
その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の
刑罰を科せられない。」


 刑罰を科すのは誰?

 国家です。

 刑罰を科されるのは誰?

 こちらは人ですよね。


 この条文には、「国家」は好き勝手に人に刑罰を科すことはできない、
と書いてあるのです。
 そう、31条にも、「憲法は国家を縛る法である」という、立憲主義の
考え方が現れているのです。


 31条にはすごいところが二つあります。
 一つめ。
 31条には、「法律の定める手続」と書いてあるだけですが、これに
「法律の定める『適正な』手続」という意味を読み込むという点です。
 だって憲法は人権が侵すことのできない永久の権利だと言っているし、
違憲立法審査権もあるのですから、非常識な手続や、人権を侵害する
ような手続を、法律が定めてさえいればオーケーというはずがない。


 すごいというのは、書いてないことばも、「人権保障の方向に読み
込める」ということです。


 もう一つは、行政との関係。刑罰以外にも、たとえば、税金を課すなど、
国家が人に一方的に権利を制限したり、義務を課したりしますね。
このようなときも、法律による適正な手続がないと困りますよね。
 31条が保障している、という考え方と、13条が保障している、という
考え方がありますが、ちがうのは何条によって保障されているかで、
「この憲法で保障されている」という結論はみんな変わらないんですね。


 31条説なら、また「書いていない行政手続ということばを、人権保障の
方向に読み込む」ということになります。すごくありませんか、31条?


 でもみなさん、保障されていると書いてあるから、読み込めるからと
いって安心してはいられません。
 自分たちの自由や権利は、「不断の努力」によって保持しなければ
いけません。「不断の努力」は、憲法問題に関心を持つことから始まり
ます(これを読んでるあなたはもう始めてますね?)。


 近いうちに、GPS捜査が令状なしに、任意捜査としてできるのかについて、
最高裁の判断がなされます。これも、憲法31条に関係する争点です。
私たちのプライバシー権と捜査の自由との関係についても、是非一度、
考えてみてください。