2017年4月7日金曜日

やや日めくり憲法 47条(選挙に関する事項)



 「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。」
 とても短い条文です。なんや「法律で定める」か、憲法では何も決めないのか、大して意味のない条文じゃないの?と思うかもしれませんね。そんなことはありません。
 まず一つ。
「法律で定める」ということは、逆にいうと、
選挙に関する事項を、法律以外の方法で、たとえば政令など、国会を通さないで決めることはできない、ということです。
「ゲリマンダー」という言葉があります。
1812年、アメリカのマサチューセッツ州知事エルブリッジ・ゲリーという人が、自分の政党が有利になるように、選挙区を区切ってしまいました。
その選挙区の、自分が得することを考えて区切ったいかにも不自然な形は、聖書に出てくる怪物サラマンダーに似ていました。
このことから、特定の政党や候補者に有利になるように選挙区を区割りすることを「ゲリマンダー」と呼ぶようになりました。
こういうことがないように、時の政権が好き勝手に自分たちに都合の良い選挙区設定できないよう、つまり必ず国会を通さなくてはならないことにするために、「法律で定める」必要があるのです。
 
そうはいっても、政権にいる人たちの政党は、たいてい国会でも多数派です。
国会の多数派が、自分たちに有利になるような選挙区設定をすることもあります。
そこで、立憲主義の登場です。
 憲法は、「国民主権」を定めています。
国会は、「憲法に頼まれて」選挙に関する事項を法律で決定するのですから、国民主権の考え方に合った法律を作らなくてはなりません。
 このように憲法47条は、時の政権や政権与党という権力が、好き勝手に自分たちに都合の良い選挙制度にするのを防ぐためのもので、国民主権、民主主義の根幹を支えるとても重要な条文です。
このように権力が好き勝手できないように憲法で縛ることを、立憲主義といいます。
 市民も、「不断の努力」(憲法12条)で、憲法が予定している選挙制度になっているのかチェックしなければなりませんね。