2017年5月4日木曜日

やや日めくり憲法54条 衆議院の解散・参議院の緊急集会

憲法記念日翌日の今日は、憲法54条です。衆議院の解散について書いています。

54条1項  衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

解散の日から40日以内に衆議院総選挙を行わないといけない、という条文ですね。
ぱっと見ふつうの条文ですが、こんなこと想像したことありますか?
たとえば、衆議院が解散されて衆議院議員がいなくなったあと、国会をひらかないといけない事態が生じたら。
あるいは、解散のあと選挙の日までのあいだに大地震などの非常事態が起こって、予定どおり総選挙が行えないことになったら。

そのときのための条文が、同じ54条の2項と3項なんです。

54条2項  衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3項  前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

これが「参議院の緊急集会」といわれる内容ですね。
衆議院が解散されて衆議院議員がいなくなったとき、そのままでは法律を作ったりすることはできませんよね。
でも、緊急のことがあって国会を開かないと困るというときは、参議院の「緊急集会」を開くことができる、ということなんです。
緊急事態条項が必要だ!と言う人たちからは、日本国憲法には緊急時の定めがないんだと言われることがあります。でも、実はあるんですね。

この緊急集会ですが、2項を文字どおり読むと、衆議院の解散の場合と書いてありますね。
そうすると、解散ではなく、衆議院の4年の任期が終わっちゃった場合はどうなるんだろう?という疑問がわいてきます。
ふつうは、任期が終わる日よりも前に総選挙を行うので、任期満了で衆議院議員がいなくなるということは通常ありません。
ところが、総選挙の日の直前に大震災などの非常事態が起こって全国いっせいに総選挙を行えなくなったような場合、そのまま任期が終わっちゃったら?
緊急集会を開けないの?という問題があります。
でも、「緊急集会」という名前のとおり、衆議院議員がいない緊急のときのための条文ですよね。
衆議院の任期満了のときに、参議院が緊急集会をひらくことを憲法が禁じているとは思われません。

こんな場合のために、「緊急時は国会議員の任期を延長すべきだ」という提案があって、国会の憲法審査会でも議論されています。
でも、どんな場合に、どれくらいの期間延長することを、誰が決めるんでしょうか?
被災地以外を含む日本全国で、災害などを口実にいつまでたっても選挙がなされないなんてことがあるんじゃないでしょうか?
日本でも戦争中の1941年、衆議院の任期が1年延長されたという例がありますが、濫用の危険はないんでしょうか?
といった疑問があって、震災を経験した弁護士などが反対しているんです。