2017年5月6日土曜日

やや日めくり憲法56条(定足数・評決)

<日本国憲法56条>
①両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
②両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。...


 この条文は、国会の議事を開くための定足数と表決の要件について定めています。

 何人以上が出席すれば議論が成立するかを定めるのが「定足数」です。
 多すぎると議事を開くことが難しく、
 少なすぎると一握りの人たちに物事が決められてしまいます。
 これを3分の1とするのは他国と比べて比較的緩やかな要件と言えます。



 「総議員」とは法定の議員数すべて、
 つまり死亡・辞職・除名により欠員となった人を差し引かない扱いです。


 大災害やクーデターなどで大幅に議員が減ってしまった時に、
 国会が好き放題に荒らされてしまうことを危惧しているのです。




 議案の可否を決める「表決」には原則として、出席議員の過半数が必要です。



 「出席議員」には賛成、反対だけでなく、棄権・無効・白票も含まれます。
 そうすると棄権でも反対を投じたのと同じになりますが、
 現状変更に積極的ではないという意味では、
 反対と扱っても大きな支障はないわけです。


 つまり、拙速な変化よりも、慎重な現状維持の方がまだましだと考えるのですね。




 ところで、
 政権与党の数の暴力による審議打ち切り、強行採決という言葉をしばしば耳にしますね。



 理屈の上では安定多数の議席数を確保していれば与党は自由に法案を通すことができます。


 しかし、
 圧倒的多数の議席数を確保したとしても、
 与党の公約と同じ内容の法案がそのまま可決されたことになる
 という大雑把な仕組みにはなっていません。


 国会法56条では、
 委員会でひとつひとつの法案についてじっくりと審査して、
 その後、本会議の審議に付するのを原則としています。


 議会は十分な審議討論を尽くさなければならないというのが立憲主義の理念だからです。
 
 選挙で選んだ国会議員たちが私たちの代表として、
 国会でどんな審議や答弁を行い、
 それぞれの議案にどんな疑問や批判があるのか
 ということに注目することもとても大事です。
 


 私たちの不断の努力によって、
 国会の審議が充実したものとなり、
 民主主義を正しく機能させることができるようになるのです。