2017年7月5日水曜日

やや日めくり憲法 75条<国務大臣の訴追>

第七十五条  国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。
国務大臣、つまり内閣のメンバーは、国務大臣の地位についている間は、
内閣総理大臣が「いいよ」と言わないと、訴追(犯罪の疑いがある人について、刑事裁判を起こすこと。「起訴」といわれます)されない、
ということを定めた条文です。
なぜかというと、
内閣は行政権(国会が作った法律を使って、国のいろいろな事務をやること)を担っていて、
そのメンバーの国務大臣は、その担当する行政の内容(防衛大臣なら、国防のこと)についてトップとしての責任を負っています。
他方、訴追(起訴)をするのは、検察官です。
刑事裁判をやるのは裁判所です。
つまり、司法権ですね。
万が一、司法権を担う検察官が暴走して、
気に入らない大臣を起訴して刑事裁判にかけてしまったら。
行政に対する、重大な妨害になります。
そういった事態を防いでいるのが、75条です。
これも、三権分立を支える制度ですね。
つまり、権力の一部が暴走して、憲法を守らない(ここでは、行政権を任された内閣を、権力を都合よく使って妨害すること)を防ぐ役割があります。
ちなみに。
では、総理大臣が「訴追していいよ」と言って守ってくれない限り、大臣は悪いことをやり放題なのか、といえば、違います。
大臣が務めている間は、公訴時効(刑事裁判についての時効。よく、指名手配の話題で「あと○日で時効!」というアレです)が止まります。
つまり、何年大臣をやったとしても、時効を気にせず、大臣ではなくなってから訴追すればいいのです。
これが、「訴追の権利は、害されない」ということの意味です。
亡くなる瞬間まで大臣だったら、別ですが…。