2017年9月4日月曜日

やや日めくり憲法94条 地方自治の特徴

94条は、「第8章 地方自治」の3つめの条文です。



「第九十四条

地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」



「地方自治」には、①住民自治 と ②団体自治のつの特徴があるといわれており、94条は②団体自治 の現れです。

住民自治というのは、そのまちに住んでいる住民が自分達のことは自分で決めますという民主主義的要素のことです。

団体自治というのは、中央政府に権力が集中しすぎることを防止するため(権力の暴走に歯止めをかけるという発想に基づくシステムですね)、地方自治が、国から独立した団体にゆだねられ、団体自身の意思と責任でなされる、ということです。



 ちなみに明治憲法には、地方自治についての規定がなく、すべて法律で定められていました。権限と人事の面で、国の監督権が強く認められていたのです。

そんな明治憲法と違い、今の憲法では、地方公共団体がどんなことをできるのかという権限を明記していて、それが94条というわけです。



地方公共団体は、「法律の範囲内で条例を制定」することができます。条例というのは、地方公共団体が自主的に定めるルールのことです。

それぞれの地方によって、同じテーマについても違う内容の条例があって、地域差が出てくる、ということがありますね。日本国憲法自身が、地方自治体がその地域の実情に合わせて条例を作ることを認めているので、地域差が出てくることはしょうがないのだ(平等原則に反しない)というわけです。



ところで、2012年4月に発表された自民党憲法改正草案では、地方自治の章でも色々と今の憲法にはない条文を作ったりしています。

 改正草案93条3項には「国及び地方自治体は、法律の定める役割分担を踏まえ、協力しなければならない」という条文があります。法律を決めるのは国です。「役割分担」という名の下に、国の決めたことに地方自治体が従わざるを得なくなるような、地方自治体の独立性を侵害するような方向性がもしも潜んでいるとしたら、警戒してしまいます。

たとえば、辺野古の基地建設問題のように、国と沖縄県が対立しているような場合がありますよね。改憲草案のような憲法になったとき、県は、国の方針がどんなに住民に被害を与えるものであっても国に従わなければならない、なんてことにならないでしょうか。

それは、地方自治を無視するに等しいものではないでしょうか。