丹下紘希さん

 表現の自由が、自民党改憲草案にあるように「公益及び公の秩序を害さない」範囲に限定されたら、国や誰かの利益の前に、自分という個人を殺すことにならないだろうか。

 2012年末に読んだ自民党改憲草案に戦慄した。「公共の福祉」という言葉が、「公益及び公の秩序」という言葉に代わられていたからだ。

 個人の声や権力の暴走に対する批判が姿を消せば、戦争とメディアはビジネスという点では簡単に手を組んでしまう。

 憲法は巨大な楔(くさび)だ。
 権力の暴走は必ず繰り返される。
 だから憲法によって権力に歯止めをかけているのだと、「あすわか」の人たちに教わった。

 表現に携わる者として、また1人の父親としても、憲法の勉強をし続けていきたい。