「あすわか」とは?

 「あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)」は、2013年1月に28名の若手弁護士が立ち上げた法律家団体です。

 当時、弁護士登録2~4年の文字通り「若輩者」たちがわざわざ団体を立ち上げたことは、はじめは大した注目が集まらなかったものの、2ヶ月後には会員が100名を超え、なにか確実に動き出していることを肌で感じました。

あすわか第1回総会
2013年3月 あすわか第1回総会
あすわか第2回総会
2014年4月 あすわか第2回総会

 あすわかの設立目的、それは、2012年4月に発表された自由民主党の「日本国憲法改正草案」の内容とその危うさを、広く国民に知らせることです。

 そこでは国民の自由を守るために権力をしばるはずの憲法が、国民の自由を制限し統制する支配のツールへの変貌をとげていました。
近代以降の常識でこの草案を見るならば、これはもはや憲法ではなく、「憲法のない社会」をパッケージで提案されている、といってもいいかもしれません。

 同年12月、民主党政権は倒れ、自民党が与党へ返り咲きました。
 自由・人権・民主主義といった民主主義国家の土台となる思想を共有しない改憲草案をひっさげた自民党が大勝、最も強硬に改憲を主張する安倍晋三氏が再び首相になったことは、若き弁護士たちが「戦後民主主義最悪の危機」を感じるには十分でした。
 そしてあすわかの活動は、必然的に「憲法を知ってみよう!」という活動へと広がりました。

出版記念パーティー
2014年5月 「これでわかった!超訳 特定秘密保護法」出版記念パーティーにて
緊急事態条項フェス
2016年3月 緊急事態条項フェス

 「民主主義を否定するような改憲案が出されている」という事実よりも「国民がそれに驚かず、それに関心を持たず、そもそも憲法を知らない」という現実の方が、よっぽど「民主主義の危機」であり、護憲・改憲の議論以前の問題だと私たちは考えています。

 知ってください。言いたいことを言える、なりたい職業を目指せる、信じたい宗教を信仰できる、好きな人と結婚できる…そんな当たり前なことすべて、70年前の憲法制定によってやっと手に入れられたこと。
 それでも女性の定年が30歳だったり、婚外子の相続分が異常に少なかったり、尊厳や人権が傷つけられている事例が後を絶たず、1つ1つ、訴訟で争ったり世論を広げたりする努力の果てに、解決してきた道のりがあること。

 そして、どんなに政治に無関心でも、政治と無関係ではいられないこと。

あすわかKYOTO_シール投票@京大前
2015年7月 京大前であすわかKYOTOのシール投票

 憲法を知って、憲法を使う。一人ひとりが政治に目を向けて、自分の頭で考え、自分の言葉をつむぎ、語り合い、世界を広げあう。その営みがあってはじめて、民主主義の歯車がまわる。「とりあえず憲法知っとこ!」というキャッチフレーズには、豊かなデモクラシーを編み出すアシストをしたいという私たちの願いが込められています。

 「知ってみよう」というメッセージの普遍性、党派性なく、より広いつながりを求める姿勢は、努力の甲斐もあり、それなりの評価と信頼を頂くこともできました。

ゲラゲラポーからケンポーまで
2015年11月 ラッキー池田さんをゲストに「ゲラゲラポーからケンポーまで」
劇団あすわか
2017年10月 劇団あすわか兵庫の公演

安倍首相は今、「自衛隊明記」改憲を提案し、悲願の「改憲」実現への執念を隠しません。今年、初めての国民投票が、実施されるかもしれないのです。

 一番の悲劇は、このまま国民全体が「なんとなく」雰囲気に流されて意味を理解しないままを票を投じてしまうことです。
 憲法ってなんなのか。どんなに私たちの「生」に不可欠なものなのか。そこに「自衛隊」が書き込まれることでどんな影響があるのか。
 願わくば国民全員がそれを知り、深く考えた上で「改憲」に相対してくれますように。

 あすわかの弁護士600名は、「基本的人権の擁護と社会正義の実現」という弁護士法1条に刻まれた使命を深く自覚し、より一層、全力でこの国のデモクラシーをアシストします。

「明日の自由を守る若手弁護士の会」
共同代表 神保 大地/黒澤 いつき